日本語版せん妄評価尺度4AT-Jについて
The 4AT-Jはせん妄スクリーニング尺度です。臨床でのご使用に際しては、使用許可は必要なく、使用料も発生しません。研究でご使用される場合には、以下までご一報ください。またThe 4AT-Jは著作権で保護されていますので、内容を許可なく変更することはできません。
連絡先:千葉大学医学部附属病院 緩和ケアセンター・精神神経科 長谷川直
(e-mail:t0715.hasegawa@gmail.com)
- The 4AT-J使用前の専門的なトレーニングは必要ありませんが、他のツール同様、せん妄に関するある程度の知識は必要です
- 毎日繰り返し測定することができます
- 12点満点で4点以上はせん妄の可能性が高く、1-3点では認知機能障害を示唆します。1-3点では適切な時期に認知症などの脳器質性疾患の精査が必要です
- 患者が以下のような理由(気分がよくない、活気がない、注意不足、拒否)で検査不能の時にも4ATは点数がつくように設計されていることに注意が必要です。よって、重度の認知症や身体的苦痛の強い患者で4点以上をとることはありえます
- 最初の3つの項目は、評価時点の患者の観察だけで採点します。4つ目の項目は、あなた自身の患者に関する知識、患者を知る他のスタッフ(病棟看護師など)、かかりつけ医からの紹介状、訪問看護師やケースマネージャーからの情報、家族などの介護者からの情報など、1つ以上の情報源を必要とします
- テストの実施やスコアの解釈をする際、テスト実施者はコミュニケーションの困難さ(聴覚障害、失語症、言語障害)を考慮する必要があります
- The 4ATの採点の仕方についてcase examplesを参照することができます
- The 4AT-Jの信頼性・妥当性を検証した文献は以下の通りです。研究等で引用される際にご使用ください(Hasegawa T, Seo T, Kubota Y, Sudo T, Yokota K, Miyazaki N, Muranaka A, Hirano S, Yamauchi A, Nagashima K, Iyo M, Sakai I. Reliability and validity of the Japanese version of the 4A's Test for delirium screening in the elderly patient. Asian J Psychiatr. 2022 Jan; 67: 102918. DOI:10.1016/j.ajp.2021.102918)