21世紀は脳とこころの時代と言われています。我が国でも精神疾患治療の重要性が指摘されており、がんや脳卒中と同様に医療計画に盛り込まれることになりました。我々は「目の前の患者さんに最善の医療を提供し、将来更によい医療が提供できるよう努力する」をモットーに、こころの病の診断・治療に取り組んでいます。
統合失調症、気分障害(うつ病、躁うつ病)などに関しては、アルゴリズムに基づいた薬物療法、不安障害(パニック障害、強迫性障害など)摂食障害などに関しては認知行動療法による入院治療も行っています。
大学病院の精神神経科病棟として、診療、研究、教育の両立を志しています。当病棟における特徴的な入院治療、研究、教育の取組み例として以下のようなものが挙げられます。
統合失調症は、さまざまな刺激を伝えあう脳をはじめとした神経系の機能が障害されることにより、幻覚や妄想などの症状を示す精神疾患です。およそ100人にひとりの割合で発病するとされ、決して珍しい病気ではありません。統合失調症の治療のため、様々な薬剤を中心に多くの治療法が開発されてきましたが、残念ながらなかなか回復に至らない患者さんも多いのが現状です。
当病棟では、クロザピン治療、修正型電気けいれん療法、持効性注射製剤などの最新の治療を提供しているほか、新薬の治験や医師主導自主臨床試験などで新たな治療法の開発にも積極的に取り組んでいます。