当研究室では、細菌感染の発症分子メカニズムの解明をめざしています。さらに、細菌感染に対する生体の防御調節メカニズムの解明も行い、総合的にはそれらを細菌感染関連の各種疾患の制御ならびに予防に応用することを目標にしています。つまり、病原体と宿主の一方にのみ片寄ることなく、病原細菌が産生する代表的な病原分子の各種トキシンに着目し、それらが攻撃する標的細胞の病的変化、そして、その結果生じる感染個体の病態までを包含した幅広い研究を展開しています。
当研究室では、国内外の大学および研究機関との積極的な共同研究を進めており、多くの学術的成果をあげてきました。それらの新知見を細菌感染症の予防や治療へ応用するための新技術の開発も進めており、医薬品関連企業や臨床医師との共同研究も積極的に推進しています。
近年の新興・再興感染症の登場、さらには抗生物質の効かない薬剤耐性菌や多剤耐性菌の出現により病原微生物学の重要性が再認識されていますが、我が国ではこの分野の研究者が極めて少ない事が問題となっています。
当研究室では、病原微生物学・細菌感染学の国際的研究交流活動を推進するとともに、次世代の優秀な研究者・教育者・医師を育成することも重要な使命の一つとして取り組んでいます。