2008年06月30日

2008年6月,千葉大学大学院循環病態医科学講座(小室一成教授)より,心筋細胞発生におけるIGFBP-4の働きの解明についての論文がNatureに掲載されました。

Zhu, W., Shiojima, I., Ito, Y., Li, Z., Ikeda, H., Yoshida, M., Naito, A., T. Nishi, J., Ueno, H., Umezawa, A., Minamino, T., Nagai, T., Kikuchi, A., Asashima, M., Komuro, I.:IGFBP-4 is an inhibitor of canonical Wnt signalling required for cardiogenesis Nature 2008/ 454(7202)/ 345-9

IGFBP-4はIGFに結合する蛋白として同定された分泌蛋白である.本研究において我々はIGFBP-4が心筋分化誘導因子であることを見いだした.IGFBP-4はES細胞の心筋分化効率を著明に増加し,ES細胞・アフリカツメガエルにおいてIGFBP-4をノックダウンすると心筋細胞分化が阻害され,心臓が形成されなくなることから,IGFBP-4は心筋分化に必須の分泌因子であると考えられた.また, IGFBP-4の心筋分化誘導の分子機構はIGFBP-4のWntシグナル抑制作用を介したものであった.すなわち,本研究によりIGFBP-4はIGF結合蛋白として以外にWnt抑制因子としての機能も有しており,IGFBP-4によるWnt抑制が心臓発生・心筋細胞分化に必須であることが示された.→Pubmed

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