患者の皆様へ
2021年09月22日
千葉大学大学院医学研究院 病態病理学
現在,病態病理学では,膵臓癌に関する研究を行っています.今後の治療に役立てることを目的に,この研究では2011~2021年に千葉大学医学部附属病院病理診断科・病理部で診断された膵臓癌の診療情報,生検・手術検体などを利用させて頂きます.診療情報などがこの研究で何のために,どのように使われているのかについて詳しく知りたい方は,下記の窓口にご連絡ください。
1.研究課題名
「 複雑腺管パターンを呈する膵臓癌の臨床病理学的検討 」
2.研究の意義・目的
膵臓癌は顕微鏡による観察で,様々な形態を示します.本研究では,いびつな形状の癒合した腺管の形をとる膵臓癌を「複雑腺管パターン」として独自に分類し,これ以外の症例との比較検討により,「複雑腺管パターン」を示す膵臓癌の性質,背景膵の組織像との関連や臨床病理学的特徴,蛋白の発現,予後との関連性について明らかにすることを目的としています.
膵臓癌の組織像と臨床病理学的特徴の比較検討は,日常診療で病理診断を担う病理医でなければなしえません.また,これらの手法により「複雑腺管パターン」の膵臓癌症例のその特徴を明らかにすることは,膵臓癌の分類や発癌・進展メカニズムの解明や,さらには予防・治療法の模索,予後改善の糸口となります.
本研究によって得られる成果は,今後増加が予想されている膵臓癌の予防・治療の観点から,社会的に広く国民の公衆衛生・医療に貢献することが期待されます.
3.研究の方法
本研究では,2011~2021年に千葉大学医学部附属病院病理診断科・病理部で膵臓癌と診断された方の診療情報,生検・手術検体を使用させていただきます.具体的には,膵臓癌について顕微鏡を用いた観察や患者さんの臨床背景・予後を評価し,今回,私たちが新たに「複雑腺管パターン」と分類した症例と「それ以外の症例」との比較・検討を行います.
4.利用する試料・情報の項目
電子カルテ上の診療情報(年齢・性別・身長・体重・生活歴・嗜好歴・既往歴・家族歴・画像所見・術前/術後治療の有無・手術方法など),生検・手術により採取された腫瘍組織をもとに診断の際に作成された標本,および残余検体を使用させていただきます.
5.個人情報の取り扱いについて
本研究で得られた個人情報は,下記の研究責任者により匿名化し,外部に洩れることのないように厳重に管理します.研究成果の発表にあたっては,患者さんの氏名・カルテ番号など個人を識別できる情報は一切公表しないこととします.データ等は,フォルダ・ファイルの暗号化およびパスワード保護の二重のデータ保護機能を設定したインターネットに接続されていないPCに保管します.また同PCは,千葉大学大学院院医学研究院病態病理学教室内の鍵のかかる研究室内に保管します.
6.研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について
ご協力頂けない場合には,原則として結果の公開前であれば情報の削除などの対応をしますので,下記の窓口にご遠慮なくお申し出ください.
文部科学省・厚生労働省・経済産業省による「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に基づいて掲示を行っています.
研究実施機関 :千葉大学大学院医学研究院病態病理学
本件のお問合せ先:千葉大学大学院医学研究院病態病理学
准教授(研究責任者) 岸本 充
043(222)7171 内線 5180
〒260-8760 千葉県千葉市中央区亥鼻 1-8-1
千葉大学亥鼻キャンパス内 治療学研究棟6階