肺高血圧症

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肺高血圧症・肺循環とは

1. 肺循環とは

 肺循環は心臓から拍出された血液が肺をめぐり,心臓へ戻ってくる体内循環の一つです。 心臓から出た血液が肺を巡り心臓へ戻ってくる過程にかかる時間(肺循環時間)はおよそ5-6秒とされています(日本臨床生理学会雑誌 1982;12:79)。この5-6秒の間に酸素を血中に取り込み二酸化炭素を身体の外に出すという私たちが生きていくために欠かせないガス交換が絶えず行われていることになります。
 肺動脈へ血液を送り出す力の源は「右心室」の収縮期圧です。肺動脈収縮期圧は右室駆出期圧と等しく、肺動脈拡張期圧は肺動脈弁の閉鎖により保たれ、つねに肺への血流を維持する仕組みになっています. 安静時平均肺動脈圧の正常値は 15mmHg以下とされ、血圧計で測定可能な「体血圧」と比べると低い圧力でコントロールされています (新・心臓カテーテル検査(改訂第2版) 1990年, 南光堂).

2. 肺高血圧症とは

 肺高血圧症の定義は右心カテーテル検査で測定した「平均肺動脈圧が25mmHg以上」になった状態とされています。