診療
小児医療の進歩で、入院が必要となるお子様はすくなりつつありますが、悪性疾患では、いまだに長期間の入院と強力な治療が必要です。血液腫瘍グループでは、そのような腫瘍性疾患と血液疾患全般を担当しています。小児科・小児外科・放射線治療医・放射線診断医・病理診断医からなる小児腫瘍チームによる治療が行われています。また病気の部位によっては耳鼻咽喉科・脳外科などと緊密に連携を取りながら治療をおこなっています。
また、ボランティアグループ、ミルフィーユ小児がんフロンティアーズ、院内学級(仁戸名特別支援学校)教師と共同で患児と家族のQOLの向上に努めています。
対象疾患
- 白血病・悪性リンパ腫などの血液腫瘍
- 再生不良性貧血・骨髄異形成症候群などの骨髄不全症候群
- 神経芽腫・横紋筋肉腫・ユーイング肉腫・脳腫瘍など小児固形腫瘍
- ランゲルハンス細胞組織球症
- 血球貪食症候群
- 血友病
- 好中球減少症、貧血などの血液疾患
- 特発性血小板減少性紫斑病などの出血性疾患
- 造血幹細胞移植
診療している疾患と関連情報
主要対象疾患
- 白血病
発熱や紫斑、貧血などがきっかけとなります。診断には骨髄検査が必須です。白血病というと不治の病のイメージが強いと思いますが、小児白血病の5年生存率は85%まで向上しています。抗がん剤を使った専門的な治療が必要になるため、私たちのような専門医の元での診療が必要です。初発の患者さまの多くは日本小児白血病リンパ腫研究会JPLSGプロトコールに従った治療が行なわれます。半年から1年という長期間の入院治療が必要になります。
- 悪性リンパ腫
リンパ節の腫れをきっかけに診断されます。診断には生検が必須です。発生部位により小児外科や耳鼻科などと連携します。白血病と似たような抗がん剤治療が行われます。
- 神経芽腫
小児の固形腫瘍で脳腫瘍の次に多い病気です。お腹の中や背骨付近に出来ることが多いです。進行すると骨や骨髄、肺に転移します。診断には血液検査の他にCT/MRI、MIBGシンチという特殊な画像検査と手術で腫瘍の一部を切り取り調べる検査(生検)が必要です。抗がん剤、手術、放射線を組み合わせた強力な治療が行われるため、診療に慣れた医師のもとでの治療が必要です。小児科では主にハイリスク例の診療を行っています。
- 髄芽腫
小児の脳腫瘍の中でも抗がん剤が効きやすいといわれています。頭痛や嘔吐で気付かれることが多く、最初は水頭症を合併することが多いです。脳外科医、放射線治療医との緊密な連携が必要です。
- 横紋筋肉腫、ユーイング肉腫
体の様々な場所にできるできものです。診断には生検が必須です。小児外科や耳鼻科と連携して生検を行います。抗がん剤、手術、放射線を組み合わせた強力な治療が行われるため、診療に慣れた医師のもとでの治療が必要です。
- 再生不良性貧血
発熱、紫斑、貧血などで気付かれます。骨髄の造血不全が原因です。免疫の異常が原因と考えられており、免疫抑制療法や、HLAが一致した兄弟がいる場合は骨髄移植が行われます。
メンバー
名 前 | 役 職 | 専門医・指導医・学位 |
日野 もえ子 |
助教 |
小児科専門医、日本血液学会認定専門医、 小児血液・がん専門医、医学博士 |
力石 浩志 |
助教 |
小児科専門医、血液学会認定専門医、医学博士 |
奥主 朋子 |
医員 |
小児科専門医 |
山下 喜晴 |
医員 |
小児血液腫瘍疾患 |