臨床研究

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臨床検体の解析によるPCNSL予後予測バイオマーカーおよび治療反応性規定因子の探索的研究について

 

「初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサート療法 +放射線治療と照射前大量メトトレキサート療法+テモゾロミド併用放射線治療 +テモゾロミド維持療法とのランダム化比較試験」の附随研究 臨床検体の解析による PCNSL 予後予測バイオマーカーおよび 治療反応性規定因子の探索的研究(研究番号 JCOG1114CA1)

1.研究の対象

JCOG1114C「初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサート療法+ 放射線治療と照射前大量メトトレキサート療法+テモゾロミド併用放射線治療+テモゾロミド維持 療法とのランダム化比較試験」に参加して治療を受けられた方

2.研究目的・方法

研究の概要:

近年、組織や血液などを用いて、がんの診断や治療に関わる因子(バイオマーカー)を探索する研究が精力的に行われるようになってきました。こうした研究で得られるデータを活用して、治 療薬の効果に関わる遺伝子の変異の有無や変異の種類などのバイオマーカーを同定し活用する ことで、将来の治療開発や治療薬選択など、患者さんの体質に合わせた個別化医療の実現に繋 がることが期待されています。

本研究は、JCOG1114C「初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する照射前大量メトトレキサ ート療法+放射線治療と照射前大量メトトレキサート療法+テモゾロミド併用放射線治療+テモゾ ロミド維持療法とのランダム化比較試験」に附随する試料解析研究です。中枢神経系原発悪性リ ンパ腫の組織中の遺伝子の状態と病型との関連を調べたり、薬剤の効きやすさや予後を予測す るバイオマーカーを探索したりすることを目的としています。

研究の意義:

本研究により、治療効果や予後を予測するバイオマーカーが同定されれば、個別化医療(患者さんごとに適切な治療方法の選択など)の可能性が広がります。 有用なバイオマーカーを同定するには、ひとつの医療機関の限られたデータのみでは情報が不十分であり、多くの医療機関が協力して、研究計画書で規定された均一な方法で治療されたJCOG 試験の登録患者さんの多くのデータを利用した解析だからこそ、大きな意味を持ち、将来 の患者さんの治療に役立つ研究になり得ると考えています。本研究により、ご協力いただいた患者さんご本人への直接的な利益は発生しませんが、将来 の患者さんに、より効果の高い治療法が提供できるかもしれません。また、必要以上の治療を減 らすことで医療費を削減するなど、社会的な利益にも繋がる可能性があります。

 

 

目的:

本研究は、JCOG1114C 試験に参加いただいた中枢神経系原発悪性リンパ腫の患者さんの腫瘍組織そのものや、腫瘍組織から抽出した DNA および RNA と、血液中の白血球の DNA を調べ ることで、中枢神経系原発悪性リンパ腫の特徴と関連のある異常を見つけ出すこと、および薬剤 の効きやすさや予後を予測できるマーカーを見つけ出すことを目的としています。

方法:

当施設をはじめ JCOG1114C 試験の参加施設で保管している腫瘍組織そのものを用いたり、腫瘍組織から DNA と RNA を抽出して解析に用います。また血液から抽出してバイオバンク・ジャパ ン(東京大学医科学研究所内)に保管されている DNA も用います。

本研究では腫瘍組織を用いて免疫染色という解析を進めるほか、抽出した DNA を用いて次世 代シークエンサーという機器により、遺伝子に変異があるかどうかを解析したり、RNA を用いた発 現解析という方法により、どのような遺伝子が機能しているのかを解析したりします。それらの解 析の結果と、あなたにご参加いただいた JCOG1114C 試験で収集された臨床情報をあわせて、例 えば、将来、中枢神経系原発悪性リンパ腫と診断された時点で、予後や治療の効果が予測できる かの検討などを行います。

研究実施期間:

本研究の研究計画書承認から 2024 年 3 月までとします。

3.研究に用いる試料・情報の種類

試料:

組織、血液
○組織: 検査または手術の際に採取した腫瘍組織そのものを解析に用いるほか、腫瘍
組織から DNA と RNA を抽出して解析します。

○血液: 血液から抽出してバイオバンク・ジャパン(BBJ)で保管されている DNA の一部を解析に用います。

情報: JCOG1114C で得られた診療情報、JCOG1114C 登録番号、BBJ 登録番号 等

4.外部への試料・情報の提供、結果の公表

当施設から試料解析実施施設への試料と臨床情報の提供は、匿名化番号を用います。また、 この研究とは別に同意いただいた、BBJ で保管されている血液(DNA)も匿名化番号を用いて解 析に利用させていただきますが、いずれの試料も特定の関係者以外が個人を識別し得る情報に アクセスできない状態で行います。

また、試料解析情報は、我が国における代表的な公的データベースである、 独立行政法人科学技術振興機構(JST)バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC(http://humandbs.biosciencedbc.jp/)や別の公的データベースで公表される可能性がありますが、これらのデータベースは、科学的観 点と個人情報保護のための体制などについて厳正な審査を受けて承認された研究者のみが利用 でき、データベースに登録された情報は特定の個人の情報であることが直ちに判別できないよう に管理されています。

5.研究組織

JCOG(Japan Clinical Oncology Group:日本臨床腫瘍研究グループ) 脳腫瘍グループ参加医療機関 http://www.jcog.jp/basic/partner/group/mem_btsg.htm

 研究代表者 杏林大学医学部 脳神経外科 永根 基雄
 研究事務局 杏林大学医学部 脳神経外科 佐々木 重嘉
 国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 JCOG データセンター

6.お問い合わせ先

ご希望があれば、他の患者さんの個人情報や研究に関する知的財産の保護に支障がない範 囲内で、研究計画書および関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出ください。

また、試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の 方が拒否された場合、あるいは同意を撤回される場合には研究対象といたしません。その場合で も患者さんに不利益が生じることはありません。

本研究に関するご質問等がある場合や、研究への試料・情報の利用を拒否する場合には、下 記の連絡先までお問い合わせください。

ただし、すでにこの研究の結果が論文などで公表されていた場合には提供していただいた情報 や、試料に基づくデータを結果から取り除くことができない場合があります。なお、公表される結果 には特定の個人を識別することができる情報は含まれません。

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

千葉大学医学部附属病院 脳神経外科 松谷 智郎

260-8677 千葉市中央区亥鼻 1-8-1 TEL:043-222-7171(代表)

 

施設研究責任者:
千葉大学医学部附属病院 研究責任者 脳神経外科 岩立 康男

260-8677 千葉市中央区亥鼻 1-8-1 TEL:043-222-7171(代表)

 

 

JCOG1114CA1 研究事務局
佐々木 重嘉
杏林大学医学部 脳神経外科 〒
181-8611 東京都三鷹市新川 6-20-2

TEL:0422-47-5511 FAX:0422-43-4715

 

JCOG1114CA1 研究代表者
永根 基雄
杏林大学医学部 脳神経外科 〒
181-8611 東京都三鷹市新川 6-20-2

TEL:0422-47-5511 FAX:0422-43-4715