スタッフ紹介

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石川博士

Ishikawa Hiroshi診療准教授 医学博士

所属

千葉大学大学院医学研究院 生殖医学講座
千葉大学医学部附属病院 婦人科・周産期母性科

メッセージ

2020年4月より務めていた医局長も3月で終わり、肩の荷が下りました。

今年は医局長業務にかまけてたまった仕事をどんどん仕上げていきたいと思います!

 

本年1月1日に甲賀かをり教授が着任され、当科は新しい診療体制となりました。また、4月1日から6名の産婦人科専攻医を迎え、患者様に千葉大学病院の名に恥じないような高度医療の提供を目指し、医局員一同新たな気持ちで診療、研究、教育に当たっています。

 

さて、医局長時代の3年間を振り返ってみると本当にいろいろな経験をさせていただいたという感謝の気持ちでいっぱいです。2020年に医局長業務を前任者から引き継いだ時には、仕事が多すぎて正直吐きそうでした(笑)。医局長というと聞こえはよいのですが、つまるところ医局内の雑用係の元締め的な存在です。ルーチンとして朝のカンファレンスの司会(週3回)、抄読会・予演会の司会(週1回)、夕方の診療科カンファレンスの司会(週1回)がありました。司会をするのは嫌ではないのですが、やはり毎日となるとそれなりに疲れます。

また、私が医局長を務めた3年間はコロナ禍でWEBオンライン会議が大幅に増えました。オンラインのメリットはみなさんご存じだと思いますが、デメリットもあります。最大のデメリットは顔が見えないということです。その分、声の比重がアップします。

 

次に大変だったのは、新人のリクルート方法の模索と実践でした。オンライン会議が普及するにつれ、医局説明会もオンライン開催で調整しました。オンライン会議ツールZoomも今では誰もが当たり前のように使っていますが、私自身、コロナ禍になる前はZoomの存在すら知らなかったため、立ち上げの時は本当に困りました。その時役に立ったのが、コマーシャルベースのZoomの説明会と、新潟大学准教授の磯部先生が立ち上げたZoom事例検討会というオンライン勉強会でした。のちにこの勉強会の内容は書籍として出版されています。コロナ禍でかつ教授の退官が迫る端境期であったため、どのようにしたら専攻医が当教室に集まってくれるのか、かなり心配でした。初めてのオンライン開催であった2020年の医局説明会は多くの先生方のご協力により盛会に終わることができたと記憶しています。参加者の事後アンケートで連携施設の紹介も聞きたいという声が複数寄せられたため、オンライン開催のメリットを生かし、初めての試みとして連携施設で研修中の専攻医にその施設の紹介と自己紹介を兼ねたプレゼンをしてもらいました。これは実際の専攻医の生の声を聴いてもらう、連携施設の紹介、さらには連携施設で研修中の専攻医の生存確認、という一石三鳥?の試みでした。大学病院に長く勤務していると専攻医研修1年目の成長しか見ることができず連携施設でのがんばりを見る機会がなかったこと、また専攻医同士が連携施設の情報を共有することで横のつながりが強化されると思ったからです。結果として、この3年間はコンスタントに毎年専攻医が仲間に加わってくれました。次はこの専攻医の先生方が新しい診療体制の中で充実した専攻医研修を送ることができるように考えていきます。

 

臨床面では、生殖内分泌の大家であった前教授生水真紀夫先生が昨年退官されましたが、同じ生殖内分泌学がご専門の甲賀教授が着任されたことで、益々生殖内分泌・不妊・婦人科低侵襲手術の発展が期待されます。私も甲賀教授から教えていただくことが多く、この歳になって新たな気持ちで学びの機会を得ました。特に腹腔鏡手術、ロボット支援下手術において甲賀教授の手術スキルを盗みたいと画策しています。また、新たにお腹に全く傷が残らない腹腔鏡手術であるvNOTEsを取り入れ、さらなる低侵襲手術を目指します。

 

研究面では、これまでルーチンワークとして取り組んできた子宮筋腫の病態解明に向けた研究から発展した、びまん性平滑筋腫症(Diffuse uterine leiomyomatosis)の病態解明に向けた研究、DULの患者数と不妊、手術に関する全国実態調査、筋腫と低酸素との関係を見た網羅的遺伝子発現解析、を進めていきます。これまで当教室の大学院生が少なく、研究面では遅れをとっていた感は否めませんが、甲賀教授の指導の下、産婦人科領域の研究に臨床の教室として取り組んでまいります。

 

教育面では、この5月に外科医が行う医学教育・医師教育に特化したセミナー、Surgeons as educators in Japanに参加し、手術室での教育、外科医としての教育、指導医として自分自身のメンタルを保つ方法など、を学びなおし、教育現場に還元したいと考えています。このセミナーは日本外科教育研究会が主催する少人数で行う対面型のセミナーであり、私はコロナ禍の前に開催された第一回SASに参加し、感銘を受けました。

 

人は力なり、私たち千葉大学産科婦人科学教室は、甲賀教授のもとさらにパワーアップし、千葉県の産婦人科医療を支えていく所存です。教室全体が若返り、自分も若返りました。この明るく楽しい雰囲気の中で、私たちの仲間に加わり一緒に働いてくれる若手諸君を絶賛募集中です。

 

絶対に後悔はさせません!

ぜひ当教室に見学にいらしてください。

学歴・職歴

金沢大学医学部 卒業(1995)
富山県立中央病院 研修医(1996)
金沢大学病院 医員(1998)
国立金沢病院(現 金沢医療センター) 医員(2000)
石川県立中央病院 医長(2003)
Northwestern University 留学(2006)
金沢大学医学博士 取得(2008)
千葉大学大学院医学研究院 助教(2009)
千葉徳洲会病院 婦人科部長(2016)
千葉大学大学院医学研究院 助教(2017)
千葉大学婦人科・周産期母性科 医局長(2020)
千葉大学婦人科・周産期母性科 診療講師(2020)
千葉大学大学院医学研究院 講師(2020)
千葉大学婦人科・周産期母性科 診療准教授(2021)

電子メール

ishikawa(ここにアットマーク)chiba-u.jp

専門分野

生殖内分泌学、内視鏡手術、ロボット支援下手術、生殖補助医療

研究課題

子宮筋腫、子宮腺筋症の病態解明
安全な婦人科内視鏡手術術式の開発

キーワード

子宮筋腫、子宮腺筋症、腹腔鏡、ロボット支援手術

研究可能テーマ

重症免疫不全マウスを用いた動物実験モデルの開発

研究業績

主な論文

  1. Kobayashi T, Ishikawa H, Ishii K, Sato A, Nakamura N, Saito Y, Hasegawa H, Fujita M, Mitsuhashi A, Shozu M. Time-lapse monitoring of fertilized human oocytes focused on the incidence of 0PN embryos in conventional in vitro fertilization cycles Sci Rep. 2021 Sep 22;11(1):18862

  2. Seki K, Ishikawa H, Hashimoto R, Mitsuhashi A, Ikeda JI, Shozu M. Development of localized cul-de-sac endometrioid carcinoma associated with deep infiltrating endometriosis during remission of early endometrial cancer. Gynecol Oncol Rep. 2019 Dec 9; 31:100526.

  3. Wang G, Ishikawa H, Sato A, Shozu M. Torsion of a Large Myomatous Uterus Associated with Progressive Renal Failure and Paralytic Ileus in an 86-Year-Old Woman. Case Rep Obstet Gynecol. 2019 Nov 3; 2019:1601368

  4. Mitsuhashi A, Habu Y, Kobayashi T, Kawarai Y, Ishikawa H, Usui H, Shozu M. Long-term outcomes of progestin plus metformin as a fertility-sparing treatment for atypical endometrial hyperplasia and endometrial cancer patients. J Gynecol Oncol. 2019 Nov;30(6):e90.

  5. Ishikawa H, Xu L, Sone K, Kobayashi T, Wang G, Shozu M. Hypoxia Induces Hypoxia-Inducible Factor 1α and Potential HIF-Responsive Gene Expression in Uterine Leiomyoma. Reprod Sci. 2019 Mar;26(3):428-435.

全ての論文

所属学会

日本産科婦人科学会(専門医・指導医・代議員)
日本生殖医学会(生殖医療専門医・指導医・代議員)
日本内分泌学会(内分泌代謝専門医・指導医・評議員)
日本女性医学学会(女性ヘルスケア専門医・指導医)
日本産科婦人科内視鏡学会(腹腔鏡技術認定医・子宮鏡技術認定医)
日本内視鏡外科学会(産婦人科技術認定医)
日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会(臨床遺伝専門医)
日本臨床細胞学会(細胞診専門医)
日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)
日本生殖内分泌学会
日本産科婦人科手術学会
日本ロボット外科学会
日本婦人科ロボット手術学会
日本思春期学会
日本婦人科腫瘍学会
日本周産期新生児学会
日本癌学会
American Society for Reproductive Medicine (ASRM)
Society for Reproductive Investigation (SRI)
The Endocrine Society (ENDO)

受賞歴

日本学術振興会 インターナショナルトレーニングプログラム(2008)
公益財団法人ちば県民保健予防財団研究助成(2010)
山口内分泌財団研究助成(2015)
5th Asian Conference on Endometriosis Good poster prize(2016)
日本産科婦人科内視鏡学会誌Best Reviewer賞(2017)
日本女性医学学会Bayer grant(2018)