千葉大学大学院医学研究院
呼吸器病態外科学
千葉大学病院
呼吸器外科
詳しくは下記PDFフィルをご覧下さい。
千葉大学附属病院呼吸器外科では平成25年12月に肺移植実施施設として再認定され、肺移植の実施を希望される方の評価・登録を呼吸器内科と共に開始しております。令和4年6月までに13例の肺移植を実施しました。
肺移植は内科的治療ではもはや治療しきれず、予後が1年未満と予測される肺の病気をお持ちの方に対して行われる、最終的な外科治療です。適応となる疾患は下記に示した疾患になります。
移植の方法としては脳死の方から頂いた健常な肺を移植する脳死肺移植(右または左の片肺移植と両方移植する両肺移植があります)と、健康な方2名(一般的には2親等以内の家族)から肺下葉(片肺の下1/2)を左右にそれぞれ移植する生体肺移植(1名から右下葉,もう1名から左下葉を移植)があります。
現在、日本では脳死肺移植認定施設として東北大学、独協医科大学、千葉大学、東京大学、京都大学、大阪大学、岡山大学、福岡大学、長崎大学、藤田医科大学の10大学が認定されており、脳死または生体肺移植を行っています。
肺移植は難易度の非常に高い手術であり、手術に伴う危険性(手術関連死亡率10%前後),高い術後合併症発生率,長期的にみた場合の問題点(感染症,拒絶反応,悪性腫瘍の発症)等、解決されなければならない問題点が数多く残されている発展途上の治療法です。
しかしながら、移植肺が生着した患者さんの生活の質(Quality Of Life)は劇的に改善します。そして新しい人生のワンステップを踏み出すことが可能です。
55才末満で、以前に大きな開胸術を受けていない人で、次の疾患の患者さんが対象となります。 a.若年性肺気腫 b.α1-アンチトリプシン欠損症 c.肺線維症 d.間質性肺炎 e.嚢胞性線維症 f.原発性ならびに続発性肺高血圧症 g.アイゼンメンジャー症候群 h.気管支拡張症 i.びまん性汎細気管支炎 j.過誤腫性肺脈管筋腫症 k.多発性肺動静脈瘻 l.肺静脈閉塞性疾患、その他心および心肺移植関連学会協議会で承認する進行性肺疾患
以下のような病気がある場合は、肺移植の対象となりません。 a.肺炎などの感染症 b.心筋梗塞の既往 c.パラコート肺 d.悪性腫瘍 e.慢性肺血栓症 f.その他重篤な全身疾患、または主治医が禁忌と認める疾患