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Education 教育

教育への取り組み

 今の大学で深刻なのは教育環境の悪化です。日本は政策として研究重視主義にシフトしています。大学運営予算の縮小により教員数は少しずつ削減されています。代わりに研究のための外部資金獲得の選択肢は増えましたが、それで雇用される短期雇用の研究員は制度上、教育に携わることはできません。限られた資源のほとんどを研究に傾ける事で、多くの大学で人材育成にかける余力は失われつつあります。

良い医師を育てたい。

CALのコンセプトは多くの教員が失いつつある教育への情熱を再び燃え上がらせました。多くの外科系臨床講座で、魅力的な教育プログラムを実施しています。講師陣の熱は確実に参加する医師にも伝わり、教育プログラムの熱気は言葉では伝えられない程です。結果として、千葉大学で学びたいという若手医師がどんどん増えてきています。

 医学部の解剖実習は、3ヶ月間の長丁場です。人体の隅から隅まで解剖させて頂き、人体の構造を初めて観察することになります。解剖には膨大な知識がないとうまく剖出することができません。その結果、実習は夜遅くまで終わらず、ほとんどの学生は下宿せざるを得ないものでした。さらに言えば、詰め込んだだけの知識は頭の中で整理されにくく、従来の解剖実習はただひたすら人体という迷路に迷い込んだような錯覚を持つ「苦しい時間」とも言えました。そこで、環境生命医学教室では、反転授業、グループワーク等の最新の教育理論を導入したアクティブ・ラーニングによる授業を展開しています。この教育手法を導入して以来、学生は知識だけでなく、解剖がとてもスピーディで上手になりました。今では以前と比べて短い時間で集中的に勉強できるようになりました。ちょうど、解剖に詳しい外科医は、総じて手術がスピーディな傾向があるの同じです。また、千葉大学では、CALに参加するすべての外科系講座が、専門領域の解剖日に講師として参加します。研修医になったときに必要とされる知識を、臨床の実際の画像等をふんだんに使った臨床解剖学講義を行います。研修医で見ることになるであろう様々な疾患に対してどんな治療を施すのか、医師を目指す若き学生達には胸躍る講義となります。こうして千葉大学では、解剖実習を「苦しい時間」から「知的好奇心を刺激される時間」へのシフトに成功しています。