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Achieve 感謝のメッセージ

感謝のメッセージ(2022/1/10開催)

千葉大学医学部附属病院 救急集中治療医学 中村聡志

 自動車の性能向上や法令強化などにより交通事故発生件数は減少傾向にあり、外傷で命を落とす患者の数は以前と比較すると減少してきています。社会にとって、私のような外傷患者の診療に携わる救急医にとってもそれはこの上なく望ましいことである反面、一方で重症外傷患者の救命のために必要な手技を実臨床の場で系統立った指導を受けながら学ぶことは困難な時代になりつつあります。外傷診療が専門医療機関に集約化してきている影響もあり、実際に私の勤務する3次救急受け入れをしている市中の中核病院で初療室で緊急に外科的処置を要する症例というのは年に数える程しかないのが現状です。そんな中でも重症外傷患者が自分の目の前に搬送されてくる可能性は少なからずあるため、救急医としてそのスキルをどのようにして習得・維持するかは重要な課題であると感じてきました。

 この度ASSET-Chibaコースに運営スタッフの一員として参加していただく機会をいただき、上記のような思いを抱いていた私にとって非常に貴重な経験となりました。ご遺体を使わせていただき、外傷診療の第一線で活躍されている医師の方々の手技や議論、講義を見て聞くことができます。運営スタッフ側ではありましたが実臨床で生かせる知識や考え方を得ることができました。このようなコースが開催されている意義は非常に大きく、外傷診療に関わる多くの医療者が参加することができれば医療の発展に寄与し社会に好影響を及ぼすと思います。いずれ受講者側として参加をしたいと強く思いました。

 献体していただいた方、 ご遺族の方へ

ご遺体より学ばせていただきましたことをこれからの現場で生かし、一人でも多くの命を救えるように精進してまいります。参加者一同、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。