お問い合わせ
ページタイトル画像

Achieve 感謝のメッセージ

感謝のメッセージ(2021/7/1開催)

千葉大学工学部医工学コース 上田怜央斗

 先日私は献体して下さったご遺体を用いたPASMISS 2021 CAL seminar に参加し、見学させていただく機会がありました。主に脊椎の構造と,脊椎の除圧と固定についての手術の学習をさせていただきました。私は医工学研究者であり、医師ではありません。手術機器等の開発を通して医療のさらなる発展を技術的側面からサポートしていくことを目標として研究に従事しています。従ってご遺体を使わせてもらっての学習する機会は初めてであり、一生忘れることができない経験をさせて頂きました。

 このセミナーの初めに、CAL(Clinical Anatomy Lab)を管理していらっしゃいます鈴木崇根先生がされていたお話で感銘を受けた内容がありました。鈴木先生は以前、献体登録をされていた千葉白菊会会員から、「外科医が解剖するときにはより多くの筋肉がついていた方がいいのか」といったことを尋ねられたそうです。「筋肉がついているとより通常の患者さんに近い状態になるので外科医は喜びます」と御返事されました。すると会員さんは、「それなら死ぬギリギリまでウォーキングを頑張らないとね」とお答えされたというのです。献体を決断されるだけでも非常に尊い行動です。それなのに、学習や研究の際により好条件なコンディションに整えようとするお心構えには頭が上がりません。私はその奉仕の精神を無下にしないように努めてまいります。またご献体をされた方から託されたものを研究の発展につなげるのは、ご献体を使わせていただいた者の責務であると考えております。これからまたご献体を使わせていただく機会があれば、今回以上に礼意を尽くして学習・研究に励む所存でございます。御体を提供してくださったご本人様並びにご遺族の方々に改めて御礼申し上げます。

千葉大学工学部医工学コース 笠井凌平

 私は工学部に所属する学生です、手術機器等の開発を通して、医療のさらなる発展を技術的側面からサポートしていくという目標のもと、研究を行っています。

 今回開催されたPASMISS 2021 CAL Seminarにて、ご遺体を使用した脊柱手術の手技や、解剖学的学習をさせていただきました。工学者として、普段見ることのできない、医者の先生方の手技や人体の解剖学的構造などを間近で学ぶことができ、とても勉強になりました。

 私は、脊柱管内の神経系の束である、硬膜と呼ばれる組織について研究しています。この硬膜管は普段見ることのできない組織ですが、献体してくださった方のおかげで、今回このような学習の機会をいただくことができ、実際の硬膜を見ることができました。解剖学の教科書や資料でしか見ることができず、ただ漠然としていたイメージが、実際の硬膜を見ることでしっかりとしたものになりました。今回学んだことを今後の研究の糧へとし、さらなる医療の発展のために役立てられるよう努力してまいる所存です。

 この度は、千葉白菊会へご登録され、献体なされたご本人様、ご遺族様方、このような機会を設けて下さった先生方に厚く御礼申し上げます。献体して下さった方々への礼節を決して忘れず、今後も医療のさらなる発展へと務めてまいります。