香川大学医学部附属病院 形成外科・美容外科 三柳 友樹
様々な分野の手術を経験して形成外科医としての力を高めていく必要がありますが、どのようなことをするにも、解剖学の知識は自分の一番の味方になってくれる基礎だと思います。特に顔面領域は、比較的小さな範囲に非常に重要な構造物が密に、立体的に積み重なっています。より安全で質の高い診療を患者様に提供するには、これらの複雑な構造を深く理解することが重要ですが、実臨床では、実際の構造を直接目にする機会が少なかったり、あえて解剖を確認しない部位があったりと、経験を得ることが難しくなりがちです。今回参加させていただいたCSTでは、その点について、実際に触れて、見て、実体験として感じながら解剖を確認でき、普段では得られない大変貴重な経験ができました。
顔面手術のエキスパートの先生方が、実際の手術をご遺体で行いながら、解剖のポイントを教えてくださいました。例えば鼻については、鼻中隔延長から骨切りまで行い、手術後に、普段はブラインドで見えない部位をすべて展開して確認でき、CSTでしか得られない経験だと感じました。講師の先生方が普段どのようなことを考えて手術をされているかについても、より具体的に理解でき、大変貴重な経験となりました。また、会場は本物の手術室のような環境の解剖室で、大変感銘を受けました。
最後に、医学教育のためにご遺志を託してくださっている白菊会の皆様と、ご遺族の皆様に、心より深く感謝申し上げます。本会を通して得られた経験を、今後の診療に十分に生かしてまいります。