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Achieve 感謝のメッセージ

感謝のメッセージ(2024/7/5開催)

慶應義塾大学整形外科 山口 桜 

 2024年7月5日、6日に千葉大学大学院医学研究院内クリニカルアナトミーラボで開催された「第6回 整形外科Cadaver Workshop in Chiba, Hand & Wrist」に参加させていただきました。

 手外科をサブスペシャリティとして選択して間もない私には、まだまだ経験の足りない手術手技も多くあり臨床の場で悩むこともあります。そのような中で、今回日本トップクラスの手外科指導医が揃うこの勉強会において、実際に手を動かしながらマンツーマンでご指導いただけたことは大変貴重な経験となりました。それぞれの先生方からご教授いただいた細かい“手術のコツ”はその一つ一つがとても価値のあるものでした。

 手術手技は教科書から学ぶことができますが、人体の組織を扱う感覚は、いくら教科書を読んでも身につくものではありません。実際に自分の手で本物の組織に触れてこそ初めて習得できるものと考えます。今回、このような機会をいただきご献体から生の身体をもって学ばせていただいたことで、繊細な組織の扱い方を学ぶことができ、今後の臨床に直接役立つ大切な感覚を教えていただいたと感じております。実際の手術は必要最小限の創で行われ広い範囲を展開することはあまりありませんが、今回の実習では肘関節周囲の支持組織や、肘から前腕にかけての神経を広範囲に渡って展開し、じっくりと観察することができ、解剖を深く理解することができました。また、それぞれのご遺体で組織に個人差があったことも非常に印象的でした。一般的な解剖は解剖書でも勉強できますが、やはり細かい組織の位置関係や構造は場合によってはその人それぞれで異なり、すべてテキスト通りにはいかないという点も大きな学びになりました。

 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった白菊会の皆様、ご遺族の皆様に心より感謝申し上げます。今回経験させていただいたことを生かし、さらに精進し、今後出会う患者様に貢献できるよう努力して参りたいと思います。