Chiba University
Clinical Anatomy Laboratory
Clinical Anatomy Laboratory
高齢者の骨折で非常に多い大腿骨頚部骨折、並びに高エネルギー外傷に多く、生命の予後にも大きく関係する骨盤骨折の解剖学的知識と手術手技の習得を目的として本プログラムは開催されました。対象は整形外科専門医を目指す専攻医１年目です。
まず股関節手術の基本となるアプローチである後方進入法と側方進入法をレクチャーしました。股関節周囲の筋肉、神経、血管等重要な構造を実際に展開していき、それぞれの位置関係の理解を深めました。その後、大腿骨頚部骨折の手術の際に大腿骨にステムを挿入する手技を行い、その挿入位置と方向について理解してもらい、また骨粗鬆骨の脆さなどの注意点も一つ一つ確認しながら経験してもらいました。骨盤骨折の内固定で必要となるアプローチにおいては、骨折により損傷を受ける周囲の組織を直視下に確認してもらい、骨盤内腔の複雑な構造を理解できたのではないかと思います。
故人の尊い意思により提供していただいたご遺体により、教科書では得ることのできない立体的な解剖学的知識をより深めることができ、参加者一同心から感謝してワークショップを終了しました。このように患者により良い手術を行えることに繋がるサージカルトレーニングが日本に普及して行くことを願っております。