この度、千葉大学脳神経外科学教室として、第15回千葉神経内視鏡ハンズオンセミナーを開催させて頂きました。このプログラムの目的は、神経内視鏡を使用した経鼻手術および経脳室手術、内視鏡下血腫除去術における解剖に関して、神経内視鏡技術認定を目標とした解剖教育を行うことです。今年度も全国から多くの参加者を迎えることができました。
このプログラムでは、実際の手術と同じように、鼻腔および眼窩上からアプローチし、経脳室、経鼻頭蓋底手術に必要な脳室解剖及び鼻腔、蝶形骨洞、篩骨洞、上顎洞、前頭洞を経由し頭蓋内へ至るための詳細な解剖構造および手術操作の習得を行うことができました。
第1日目午前は脳室鏡(軟性鏡)技術トレーニングおよび眼窩上アプローチにおける解剖構造の習得と模型を用いた内視鏡下血腫除去術の手術操作をトレーニングしました。午後からは頭蓋底形成術、鼻腔から蝶形骨洞に至る解剖構造の確認、後部篩骨洞開放、鼻腔外側における基板構造の確認及び削除を行い、トルコ鞍から斜台部操作及び観察を行いました。本年度もドライラボでの止血モデルを導入し、安全な手術に必要な止血練習を行いました。第2日目は頭蓋底操作のうち経上顎洞的翼口蓋窩アプローチによる側頭下窩および前頭蓋底、眼窩へ至る各経路の解剖および手術操作の習得を行いました。
今回も実際の手術で使うナビゲーションシステムを使用したことと、多くの耳鼻咽喉科の国内の内視鏡エキスパートに講師として参加して頂いていることにより、内視鏡経鼻手術における外科解剖の理解がより深めることができたと思います。お陰様で毎年全国から多くの参加希望の声を頂いております。このようなセミナーが開催できるのもCALと献体登録して頂けているたくさんの方々のお陰です。私たちも少しでも全国の患者のために、日本の脳外科の手術水準向上に貢献していきたいと考えております。ご支援頂いている皆様、本当にありがとうございました。