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令和4年度 献体を用いた肺移植シミュレーション 2022/2/5開催

 このプログラムは、脳死肺移植の成功率を高めるために行うシミュレーション・トレーニングです。いつ発生するかわからない肺移植を迅速かつ的確に完了するためにはこのようなシミュレーションが必須です。
呼吸器病態外科学では、千葉大学医学部附属病院の移植チームの一員としてCALが設立されてから毎年鍛錬を行ってきました。移植手術に関しては、スピードが非常に重要な要素を占めるため、実際の移植時には若手に指導する時間はまったくありません。また、臓器提供してくださるドナーの方(不幸にして脳死となった患者)の個人情報保護もあり、動画記録とその2次利用が許されません。そのため、移植に携わる医師への新規教育は非常に難しい事になります。その点、CALにおいては、移植チームの医師・看護師の連携を含む移植術のスピード感を体感することができつつ、実施後に改めて時間を取って手術の改善点を振り返る時間も取ることができます。

 トレーニングは、ドナーチームとレシピエントチームに分かれ、それぞれドナー肺摘出術、レシピエント両側肺移植手術を行いました。(移植実施後の肺は、確実に元のご遺体に戻しております。)ドナー肺摘出時の肺潅流の手順確認や摘出後の肺の分離、トリミング、ドナー肺摘出からレシピエント肺移植までの一連の流れをチーム全体で確認することができました。また、移植実施後は時間をかけて若手呼吸器外科医のために詳細な解剖を教える事もできました。

 突然訪れる脳死に備えて臓器移植の承諾をしてくださっているドナーの方と、そのご家族の厚意を無駄にしないために、移植チームも全力で研鑽を積んでいきます。私たちは、このようなプログラムをしっかり実施していくことで、ご遺体を解剖させていただける同意をくださった献体者とそのご遺族の方々のお気持ちにもしっかりと応えていきたいと思います。

感謝のメッセージ