お問い合わせ
ページタイトル画像

Achieve 実績一覧

第12回ASSET-Chibaコース 2022/1/10開催

 多くの外傷で合併する大量出血は、患者の生命に直結します。米国外科学会により設立されたご遺体を使用したトレーニングプログラムASSET(Advanced Surgical Skills for Exposure in Trauma)は、外傷において致命的となる、四肢・体幹部の血管損傷に焦点をあて、主要血管への迅速かつ安全なアプローチを目的としています。毎年渡米して繰り返しASSETを受講してきたという日本の外傷外科医も多いです。2016年より千葉大学CALにおいて米国外科学会公認でASSETコースを開催しています。これは北米以外で開催された初めてのコースでありました。2018年には、テロに用いられる手段として銃創・爆創・切創による外傷の対応経験が治安の良い日本では経験できないことから、厚労省による外傷外科医養成事業が始まり、その一部をこのASSETコースが担うことになっています。また、日本外科学会外科専門医修練カリキュラムコースにも認定されており、外傷外科医にとって参加を熱望するプログラムです。

 例年1月に実施してきたこのASSETコースですが、今年度は7月に昨年1月の延期分(第10回、11回)を開催しましたので、3回目の実施となりました。年に複数回実施するにはご遺体の数が不足しているという事で、ご遺体は1体減らして3体で開催させて頂きました。直前になりまん延防止等重点措置が発令された地域の講師の先生が急遽来れなくなるというアクシデントがありましたが、なんとか例年と同じクオリティでプログラムを開催することができました。参加者である医師は,緊急救命処置・血管露出手技を行うことでその方法や解剖学的構造を学習し、見学者である看護師は、医師により露出された血管を確認することで解剖学的構造を学ぶとともに、臨床現場で必要となる器械出しの手技についても学習しました。なお、それぞれの手技の合間では、実臨床に近い想定で学習するために、熟練した指導者による、各露出対象血管を損傷したと仮定したcase presentation方式の講義を行いました。また、処置・手技の最中も質問やディスカッションを重ねることで、疑問点や不明な点を解決しながら教育を進めることができました。今回も受講した先生からは、とても有意義なプログラムであったと、ほぼ最高評価を得られました。今後も日本の外傷治療の水準を高める為に、このプログラムを開催していきたいと考えております。

感謝のメッセージ