より高きものを志す医師・メディカルスタッフを応援していきます
千葉大学 大学院医学研究院長・医学部長 松原久裕
現代の医療の進歩の速度は凄まじいものがあります。領域によっては10年もしないうちに今日の標準的な治療が過去のモノになってしまうほどです。この科学の進歩のスピードに医療を取り巻く人材育成もついていかなければなりません。日々の激務の中で、医師・医療関係者が最新の治療法を学び続けることは容易ではありません。千葉大学の医師たちがゼロから作り上げたこのクリニカルアナトミーラボ(CAL)は重要なひとつの解決策となります。CALの理念に賛同し、献体登録して頂いている千葉白菊会の皆様には心より感謝申し上げます。これからも千葉大学大学院医学研究院は熱き心を持って、より高きものを志す医師・メディカルスタッフを応援していきます。
私たちには、医療を支える優れた医療人を育成する責任がある
CAL運営委員会委員長 整形外科学教授 大鳥精司
医師、特に外科医にとって、手術や検査の技術を高めることは重要な課題です。多くの論文や手術書で学んでも、実際の臓器を前にすると自らの持つ知識が完璧ではないことを知らされます。このクリニカルアナトミーラボ(CAL)は、医師一人一人が納得いくまで献体頂いたご遺体から学ばせて頂くことができます。翌日の診療から活かされる知識が必ずあります。また、研究という形で数年後に手術成績を飛躍的に高めることができる可能性があります。
良い医療を達成するにあたり、手術室の看護師やリハビリ関係の専門職にも私たちが目指している治療内容を深く理解してもらうことも重要です。患者さんを前にすると、限られた時間で議論する時間はなく、どうしても浅い知識伝達に終わってしまいます。CALで行われるプログラムによっては医師のトレーニングや研究を見学する形で解剖を勉強することも可能です。
私たちには、県内外を問わず、医療を支える優れた医療人を育成する責任があります。そのために、このクリニカルアナトミーラボを支え、発展させていきます。献体登録して頂いている千葉白菊会の皆様には心より感謝申し上げますとともに、今後ともご指導の程宜しくお願い申し上げます。
医師が作り上げたCALの理念に賛同してサポートしていきます
指導監督者 環境生命医学(解剖学) 森 千里
私ども環境生命医学(肉眼解剖学担当)では、献体されたご遺体を使わせて頂き、主に学生の解剖実習を行ってきました。一方で千葉白菊会の会員の皆様の願いは「広く医学・医療の発展に役立てて欲しい」というものであります。学生教育は良医を育てるという点において非常に重要であるものの、医学・医療全体という視点から見るとごく一部の限られた領域にしか過ぎません。2008年頃に医療の最前線で活躍されている外科系講座の総意として、「医療の現場にいる医師達にも解剖の扉を開けて欲しい」と相談されました。それがクリニカルアナトミーラボ(CAL)の最初の一歩です。解剖学教室と臨床医が力を合わせれば、献体頂いた皆様の尊い御遺志を最大限に社会に還元できると信じています。環境生命医学教室は、多くの関係者のご協力を得て医師たちが作り上げた、CALの理念に賛同してサポートしていきます。