千葉大学大学院医学研究院
先端応用外科学
千葉大学病院
食道・胃腸外科
2017年10月で当科の教授を拝命して10年が経過しました。10年一昔と言いますが、実感としては激流を下ってきた様相であり、本当にあっという間の感覚です。教授就任の際に私の任期を考えると、ほぼ3期に分けて教室運営を考えることにしましたが、現在第2期のちょうど半分ほど経過したことになります。最初の1期目で土台を作ると考えておりました。土台作りも平坦で楽な道であるはずもなく、この4月に漸く私が教授になって初めて入局した医師たちが学位取得後の出張を終え、立派に成長し大学に戻ってきました。多少遅れましたが、これからが本当の飛躍の第2期だと考えております。
自分自身の事に関しては日本食道学会の理事長として2期目に入ることを認めて頂き、さらなる学会の発展に向けて尽力しております。食道癌取扱い規約の改訂版、診療ガイドラインの改訂版を無事、発刊できました。五〇周年記念事業も準備期間がたいへん短かった中で、参加していただいた先生方に喜んでいただき、皆様の食道学へのほとばしる情熱によりたいへん素晴らしい会となりました。また、私が重要な柱と考えている食道学会からの情報発信を目標とした研究推進についても順調に進捗しております。
日本外科学会については理事の3期目を無事、終了する時期が近づいて参りました。新たな英文Case reports誌の立ち上げに尽力し、初代馬場秀夫編集長に引き継ぎました。医療安全管理委員会の委員長を拝命し、医療安全の担当理事として群馬大学医学部附属病院の調査委員会、医療事故調査制度への外科学会からの提言、同制度に関する医療安全調査機構への支援事業、高難度医療技術の認定などに尽力してまいりました。
日本の外科を取り巻く状況は専門医の問題、外科医不足、医療安全、働き方改革など課題が山積しております。そのような時代でも若い外科医が、また外科を目指そうとする若手医師がやり甲斐のある魅力ある外科学を実現していくことをめざして、当教室や関連学会の発展に尽力してまいります。