対象疾患

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リンパ浮腫

リンパ浮腫は日常生活に大きな支障を来す疾患で、患者さんの苦悩は非常に大きなものです。保存治療だけでも外科治療だけでもうまくいきませんが、施設によって大きく治療方針が異なるのが現状です。千葉大学では様々な状況に対応すべく、地域の施設と連携してリンパ浮腫治療に取り組んでいます。

リンパ浮腫外来のご案内

毎週火曜日
担当医: 秋田 新介
千葉大学 フロンティア医工学センター 講師 (兼任)
日本リンパ浮腫学会 評議員
日本リンパ浮腫治療学会 評議員

学会などで休診の場合がございます。あらかじめお問い合わせのうえご来院ください。

リンパ浮腫

①リンパ浮腫とは

 リンパ浮腫は手足がむくむ病気の一つです。乳がん、子宮がん、卵巣がん、悪性黒色腫などの治療のあとに、リンパ液の流れが悪くなることによって発生します。また、生まれつきの病気や、原因がはっきりとわからないでリンパ浮腫を生じる方もいらっしゃいます。
症状は手足が太くなるだけでなく、だるさや熱感を感じることが多く、蜂窩織炎という感染を起こしてしまうこともあります。症状が出現する時期には個人差があり、がんの治療後すぐに発症する方もいますが、何年も経ってから発症する方もいます。
「放っておいても命にかかわることがない。」「リンパ浮腫は治らない。」と治療されていない方もいらっしゃいますが、現在では様々な治療方法がなされ、それらをうまく組み合わせることによってとても症状が改善する方がたくさんいらっしゃいます。


②リンパ浮腫の治療

 当科では近年形成外科領域で発達してきた超微小外科の技術を用いた、比較的新しい治療方法を行っています。まず、局所麻酔または全身麻酔後、皮膚に2cm程度の小切開を加えます。顕微鏡下に直径0.5mm前後のリンパ管と皮下静脈を吻合し、リンパ液の通り道(バイパス)を作成してあげます。この手術をリンパ管細静脈吻合術と呼び、四肢のリンパ浮腫だけでなく、足のつけねや骨盤内のリンパのう胞の患者さんの治療にも応用しています。

③あらかじめご理解いただきたい点

 リンパ浮腫に対する保存療法は有効であり、当科で手術を行った患者さんも補助療法として圧迫治療なるべく続けていただいています。手術後半年間の経過をみて、リンパの流れの改善が確認できた場合、可能であれば圧迫を終了します。
リンパ浮腫の治療は長く、根気が必要ですが、お一人で悩まれるより、二人三脚、あるいはもっと大勢の力を借りていただいて、よくなっていただければと思います。

患者さんのご了解を得て掲載しています

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