千葉大学大学院医学研究院
形成外科学
千葉大学病院
形成・美容外科
1991年 | 東京医科大学卒業 昭和大学形成外科入局 |
1995年 | 同大学大学院修了 |
1997年 | 同大学医学部形成外科, 助手 |
1998年 | 丸山記念総合病院形成外科, 部長 |
2000年 | 聖マリア病院形成外科 |
2002年 | 同 , 部長 |
2009年 |
昭和大学医学部形成外科,専任講師 |
2010年 | Necker小児病院,Craniofacial Unit (Paris) 留学 |
2011年 | 千葉大学大学院医学研究院形成外科学, 准教授 |
2016年 | 千葉大学大学院医学研究院形成外科学, 教授 |
医学博士、日本形成外科学会専門医、日本熱傷学会専門医、日本褥瘡学会褥瘡認定師、日本頭蓋顎顔面外科学会専門医、日本創傷外科学会専門医、皮膚腫瘍外科分野指導医、小児形成外科分野指導医、日本美容外科学会教育専門医、臨床研修指導医、外国医師臨床修練指導医、日本形成外科学会再建マイクロサージャリー分野指導医、日本口蓋裂学会認定師
日本形成外科学会理事、日本頭蓋顎顔面外科学会理事、日本創傷外科学会理事、日本形成外科手術手技学会理事、日本熱傷学会理事、日本褥瘡学会評議員、日本美容外科学会理事、日本シミュレーション外科学会理事、国際頭蓋顎顔面外科学会 (ISCFS) Associate member、日本顎顔面再建先進デジタルテクノロジー学会評議員、Craniosynostosis研究会世話人、日本口蓋裂学会評議員
昭和大学医学部形成外科, 客員教授
高知大学医学部外科(形成外科), 非常勤講師
秋田大学医学部皮膚科・形成外科, 兼任講師
私たちのホームページへアクセスして下さり、誠にありがとうございます。
私は2016年12月より千葉大学形成外科学講座の教授を務めさせていただいております三川(みつかわ)信之と申します。形成外科学講座を代表して当教室の特色や臨床、研究、教育の内容と方針を紹介させていただきます。
1994年、一瀬正治先生を初代教授に迎え、千葉大学医学部形成外科の歴史は始まりました。2009年には第二代教授の佐藤兼重先生がご就任され、現在は第三代目の教授として私が担当させていただいております。
千葉県下から形成外科に関連するあらゆる疾患が広く集まるため、病棟では乳児から高齢者まで、様々な患者様が入院されています。そしてここ数年、その症例数は激増しています。またスタッフが専門、得意としている頭蓋顎顔面骨異常や先天性疾患、リンパ浮腫、乳房再建などの領域では日本全国の遠方からも積極的に患者を受け入れて、高度な医療を提供しています。現在はさらに頭蓋顎顔面異常に関連する末梢性呼吸障害やシミュレーション外科領域、顔面神経麻痺、虚血性下肢を中心とした難治性創傷、そして性同一障害に対する性別適合手術など、臨床の幅を広げております。
美容外科も標榜しています。大学病院が美容外科に取り組む役割として、美容外科合併症の治療が挙げられますが、実際多くの困難な症例をサルベージしています。
一方、千葉大学では数年後に高度救命救急センターの開設を予定しており、顔面外傷や熱傷などの症例が今以上に増えることが予想されます。当院では救急科との綿密な協力体制のもと、高度かつ安全な診療を行い、大変良好な成績をあげています。なお当院は日本熱傷学会の認定施設ともなっています。救急領域においては今後ますます形成外科医の果たす役割が増すと思われます。
頭蓋顎顔面領域では主に、頭蓋顎顔面骨の先天性発育不全に対する骨延長術を用いた治療の臨床研究を行っています。特に睡眠時無呼吸や重度の呼吸障害を呈する小顎症や上顎低形成に対し、気管切開を回避する目的での骨延長術の効果については、麻酔科と共同で臨床研究に取り組んでいます。基礎研究では、Clinical Anatomy Laboでの未固定解剖体を用いた研究に積極的に取り組んでいます。形成外科の臨床に直結する解剖研究においては、顔面の解剖、皮弁解剖、リンパ管・血管などの脈管解剖、さらには頭蓋顔面骨の骨切りの研究なども行っています。
その他、最近では頭蓋顎顔面外科領域に親和性の高い画像シミュレーションを用いた手術計画や結果の分析を開始しており、今後大きく発展する研究分野と期待しています。
脂肪細胞の領域では脂肪細胞の基礎的な生理学的性質の解明から、脂肪移植生着メカニズムの探求、世界に類を見ない脂肪細胞を用いた遺伝子治療まで幅広い研究を行っています。リンパ浮腫に関する研究は、医学研究院の基礎講座のみならず、他学部の様々な研究者とチームと共同で取り組んでいます。
近年ではその他、難治性潰瘍に対する最新のアプローチ、先天異常疾患の遺伝子解析、血管腫や肉腫などの腫瘍性病変に対する病態と治療の探求など様々な領域における新たな研究がスタートしました。研究の成果が近い将来、患者様の助けになることを目標に、真摯で懸命な努力をしています。
私の目指す研究の基本方針は、今まで以上に基礎医学教室との交流を活性化させ、基礎医学を基盤とした臨床研究の発展に努めることです。再生医療の分野を中心とした新しい医療技術の開発と臨床応用には基礎医学教室との連携、共同研究が不可欠と考えています。
形成外科の疾患は極めて多岐にわたります。専門医の取得までの間は、偏りなく形成外科医師としての知識と技術を吸収することが重要であるため、それに即した研修プログラムを組んでいます。研修病院の一部は私の出身医局である昭和大学の関連施設でもあるため、お互いに交流して助け合い、かつ切磋琢磨しています。
一方、形成外科医師としての長い人生を鑑みると、基礎研究に専念する日々も視野を広げる一助になると考え、希望者には基礎研究を行うことを奨励し、さらには大学院進学を積極的に勧誘しています。
専門医を取得した後はできればsubspecialtyを伸ばしていくことを視野に入れて欲しいと考え、若い先生のやりたいこと、極めたいことの希望を極力優先し、その領域を中心に学ばせています。
今後は海外留学、国際学会での発表などによる国際化もさらに推進していくつもりです。