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千葉大学大学院医学研究院・医学部

千葉大学医学部附属病院
プログラム担当教員
広い視野をもち、基礎研究と臨床研究、ふたつの領域を繋げる人材を育成
日本にはシーズを創生する基礎研究の領域や、既存の医薬品や医療機器の更なる可能性を探索する臨床研究の領域には優秀な人材が数多く存在し、多くの優れた研究成果を発表しています。しかし日本は医薬品開発をはじめとする新規治療法の開発研究に関しては、米国や欧州の一部の国に大きく後れをとっています。基礎研究と臨床研究の両者を理解し、シーズを新規治療法の開発に繋げるスペシャリストが不足し、その仕組みがうまく機能していないのがその理由です。そこをブレイクする人材を育成するのが、このプログラムのポイントです。
製薬業界においても医薬品開発を推進するスペシャリストの育成が行われていますが、企業と大学では果たす役割が異なります。大学においては、よりアカデミックな視点から治療法の開発を推進する人材の育成が求められています。このプログラムでは、千葉大学としての特性を最大限生かし、広い視野をもち、基礎研究の成果を臨床に繋げる事が出来るスペシャリストの育成を行います。
他にはない充実したサポート体制
このプログラムは、今まで大学院が目指してきたものより出口に近い所、すなわち医薬品開発を推進するポジションにおいて活躍できる人材の育成も視野に教育が行われるという点で、参加する学生にとって魅力的なものだと思います。多彩な実習・演習が用意されていますので、それを上手く利用することにより、将来の様々なチャレンジに対する敷居を低くすることが出来ます。たとえば海外の研究機関で学びたいという学生に対しては、英語でのコミュニケーション能力を高めるプログラムが用意されていますし、海外での実習の機会も提供されます。また、海外の研究機関とのパイプも複数用意されています。ポテンシャルを持つ学生が、自分の進みたい道に進み、リーダーとなることを手助けする、それがこのプログラムの特徴だと思います。
実践の場としてアレルギーセンターを設置
このプログラムでは「治療学」というキーワードを使用しています。さまざまな基礎研究の出口として、医療の改革と進歩を目標とすることを意味しています。
私が専門とする臨床免疫学の分野では、気管支喘息などのアレルギー疾患や、関節リウマチ、血管炎などの自己免疫疾患を対象に生物学的製剤をはじめとする治療薬の開発が急速に進んでいます。そして生物学的製剤の臨床応用により、免疫学は基礎医学の進歩を臨床医学に結びつけやすい代表的な研究領域になりました。さらに生物学的製剤の使用により新たに生じた臨床的疑問を基礎研究により解明することも多くなっています。すなわち、免疫学は基礎と臨床の双方向性の交流が活発なため、基礎と臨床の両者を理解し新規治療法の開発を行うスペシャリストを育てやすいフィールドと言えます。
また、千葉大学は、歴史的に免疫学の分野で基礎研究が活発に行われ、多くの実績を残しています。アレルギー疾患、自己免疫疾患をはじめとする免疫関連疾患の診断や治療においても多くの実績があります。それらは、大先輩から脈々と受け継がれてきたものであり、そうした伝統的な強さは、このプログラムにおいても継承されるだろうと期待しています。
さらに2012年10月には千葉大学医学部附属病院に、内科、小児科、耳鼻科、皮膚科が診療科の垣根を越え、アレルギー疾患に関する診療、研究、教育を行うアレルギーセンターが設置されました。本プログラムの学生はアレルギーセンターにおける実習に参加するだけでなく、アレルギーセンターが主催する医師や患者を対象にしたセミナーの企画や運営にも関与出来ます。とても貴重な経験がつめると思います。
自分の可能性を広げる機会を逃さない努力を
このプログラムの特徴としてもう一つ挙げたいのは、ローテーション演習です。この演習では、基礎と臨床の枠を超え、さらに薬学系の教員も加わり、研究室をローテーションし総合的な知識の養成が図られます。いろいろな研究室をまわって、多様性に富んだ知識や情報に触れることは学生にとって、とても大きなメリットです。一見、自分の専門とは畑違いに見える研究であっても、それに触れることで自分の知識の「幅」が広がります。狭い庭に高い塔を建てることはできないですよね? それと同じで、様々な知識や情報に触れることで自分の土台を広げないと、より高い場所には到達できません。いろいろな分野からの情報、価値観が入ってくることで、考え方も柔軟になります。こんな素晴らしいチャンスを、逃さないでください。


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