患者登録システムとは

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患者登録システムは、全国のクロウ・深瀬症候群の患者さんの情報を一ヶ所に継続的に集めることを目的としています。
これにより、様々な治療法について長期的な効果を調べることができるようになります。
また、新しい薬の臨床試験が行われる時には、候補になる可能性のある患者さんに臨床試験の情報をいち早くお知らせすることができます。それにより、短期間で適切な患者さんを集めることができるようになるため、新規治療の開発スピードが速くなります。

ご登録くださった患者さんには、クロウ・深瀬症候群の診療に関する新しい情報を、ニュースレターと言う手段で、定期的にお知らせすることを予定しています。

このような取り組みにより、クロウ・深瀬症候群の治療法が進歩することを目指しています。クロウ・深瀬症候群の患者登録システムは千葉大学医学部附属病院にある事務局により運営されています。また、この登録システムは、厚生労働省の支援(厚生労働科学研究費)により実現することができました。

なぜ患者登録システムが必要か?

新しい治療を、ご病気に本当に合った形に進歩させていくためには、実際に治療が行われている患者さんの状態や治療効果などの長期的なデータを集めて分析することがとても大切です。それぞれの治療が、どのぐらいの効果が期待できるか、どのような副作用に気をつけるべきかなどがわかれば、患者さんの状態に応じて、ふさわしい治療をえらぶことができるようになります。ところが、患者さんの数の少ないご病気の場合は、このような情報を集めることは容易ではありません。そのため、全国の患者さんの情報を一ヶ所に集め、今後の治療に生かして行くシステム作りは有用な取り組みです。

また、あるお薬がクロウ・深瀬症候群に効果があると証明され、正式に認められるためには、臨床試験を行う必要があります。臨床試験とは、新しいお薬を患者さんに実際に使用して、効き目があること、安全性の問題がないことを確かめる方法です。新しい治療を患者さんの元に確実にそして迅速に届けるためには、臨床試験をできるだけ短期間に行うことが、とても大切です。一般的に、患者さんの数の少ないご病気では、治験にご参加頂ける患者さんを探すことが難しく、臨床試験に非常に時間がかかったり、途中で試験の継続を断念せざるをえなかったりすることが、しばしばあります。患者登録システムを活用することで、臨床試験を迅速かつ確実に行える可能性が高まります。

このように、クロウ・深瀬症候群の患者さんを取り巻く状況から、新しい治療と患者さんを結ぶための手段として、患者登録システムはとても効果があると考えられます。実際、ヨーロッパを始め、諸外国では、治療へ結びつくような患者さんの登録システムづくりが、クロウ・深瀬症候群以外のご病気で進んでおり、多くの成果が出ています。