血 管 炎

わが国に多いMPA, MPO-ANCAを中心に

 

鈴木和男

千葉大学大学院医学研究院 免疫発生学・炎症制御学

<無断転載不可>

 

【血管炎症候群】

全身のさまざまな血管に炎症が起こり、血管の流れが障害されて起こる病気の総称です。

病気の名前が、個々の疾患名になります。しかし、いくつかの疾患が同時に起こってくることもあります。 

難治性血管炎

 

 


 血管炎症候群で起こる症状は、主に障害を受ける血管のサイズ(血管径)に関連していることから、各疾患は障害血管サイズにより分類されています。

 

血管炎の分類

・大血管を傷害するもの

Takayasu’ s arteritis (高安動脈炎)

Giant cell arteritis (側頭動脈炎)

 

・中小動脈を傷害するもの

Kawasakis disease (川崎病)・・・Pediatric patients

Polyarteritis nodosa (結節性多発性動脈炎)

 

・細小動脈を傷害するもの

Microscopic polyangiitis)(顕微鏡的多発血管炎:MPA

Wegeners granulomatosa(ウエゲナー肉芽腫症)

Churg-Struass syndrome(アレルギー性肉芽腫性血管炎)

Burgers disease (バージャー病)

Malignant rheumatoid arthritis (悪性関節リウマチ)

          (RA with vasculitis, RA with extra-articuar manifestations)

 

MPAANCA関連血管炎

 近年、血管炎に好中球抗体の関与が指摘されるなど、慢性炎症疾患においてMPOに関連した好中球の動態の関与について注目されている。血管炎患者には血清中に好中球自己抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody: ANCA)が上昇することや、ANCAと好中球が、血管炎の病態に関与していることが明らかになってきており、好中球がその抗体ANCAとともに血管炎に関与していることが容易に理解できるようになってきた。ANCA関連血管炎のうち、Myeloperoxidaseを対応抗原とするMPO-ANCA抗体陽性のMPO-ANCA関連血管炎は、顕微鏡的多発血管炎(Microscopic polyanngiitis, MPA)に認められ、欧米よりわが国の発症頻度が高い。

マニュアル・ガイドラインGuideline of Diagnosis Classification

 

 


【難治性血管炎の診断マニュアルGuideline of Diagnosis Classification for Vasculitis

「厚生科学研究特定疾患対策研究事業・難治性血管炎に関する調査研究班―班長:橋本博史」20023月 

・邦文―20023

English (March 2002):  [PN]  [MPA]  [WG]  [MRA]  [AGA]

 

【川崎病診断ガイドDiagnostic Guideline of Kawasaki Disease

・邦文 

英文―English: 5th Edition, Feb. 2002

 

Vasculitis Meeting

英文―English: Classification by D. Jayne in Vasculitis Meeting, Tokyo, January 9, 2009

 

国際関連情報 International Information

 

 

 


- Issue 1, October 17, 2008

- Issue 2, October 29, 2008

- Issue 3. November 18, 2008

- Issue 4. January 15, 2009

 

 

報告書、文献、論文発表

 

 


【難治性血管炎関連報告書】

第4分野 課題番号SH44410 平成16-18年度総合研究報告書

平成193(March 2007)

抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の本邦・欧州間での臨床疫学調査および診断薬と治療法開発に関する研究

順天堂大学附属順天堂越谷病院 主任研究者 橋本 博史

 

【研究論文・別刷】

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

Before-2002

 

【施設、リンク】

国内施設・サイト

川崎病研究センター

 

海外施設・サイト

EUVAS (European Vasculitis Study Group)